「・・・誰?」

少し顔をしかめて彼女が言った。

この人もこんな顔をするんだなぁ。

「あ、姐さん、すいません。あの、そちらのお客様のお連れの方が急いで呼べと言うので・・・。」

「・・・わかりました。では、彼に、そちらから来るように伝えて下さい。」

「は、はい!」

パタパタパタ。

今度は幾分か静かな足音になった。

「ウチの見習いが煩くてすいません。」

「い・・・いえ、そんな。」

俺も見習いだから、見習いの大変さはよく知ってます。と、心の中で付け足した。