「・・・あ」

襖をスッと開ける音と共に、綺麗な着物の裾と、綺麗な高い声が聞こえた。

「お目覚めですか?」

襖から現れたのは、20代中頃の、スッゴク綺麗な女の人。

顔を見た瞬間に、着物の艶やかさは頭から飛んでしまった。

・・・でも、一目で遊女と分かる。

独特の香り。

独特な笑い。

「あ、あの。ここは・・・。」

俺は慣れない相手に、真っ赤な顔のまま、目線を合わせず聞いた。

「ここは、・・・ある隊士の方がご贔屓なさって下さってる遊郭ですわ。」

ゆったりと、琴の旋律の様な言葉の流れ。

「ふふ。緊張なさらないで、お茶でもいかがです?」

「い、いや結構です。」

緊張するなと言われても無理です(汗)