その日の放課後
また昨日のように路地手前の
大通りを歩いていると


やっ、離してくださいっ!
って女の声が聞こえた。


ふと、絡まれてる女の方を見ると
峰岸律花で、ほんとびっくりした。


自分でも考える前に
体が勝手に動き出して


「俺の女に何してんだよ!
てめぇら、命が惜しけりゃさっさと失せろ」


なんて柄にもなく言ってしまった。
しかも、いつもよりキレ気味で…。


その男達は揃いも揃って
叫びながらダッシュで逃げてった。


ちょっと殺気出しただけで
こんな逃げるなんて相当ビビリなんだな
と思いつつ俺は鼻でフッと笑った。


その後、峰岸律花の方を見ると
震えた声で「ありがとうございました。」
って言った。


絡まれてた時、あんなに強気だったから
まさか、泣いてるなんて思わなくて


普段だったら、女が泣いてても
なんとも思わずスルーするのに


峰岸律花が泣いてると
なんかほっとけなくて


気づいたら、そっと抱きしめてた。
普段なら絶対しないから


俺自身の行動に
心の中で少し笑えた。