初めての親友という存在は、孤独な私の日々を大きく彩り変えてくれた。
可奈子といるうちに他に友達も出来て、いつしか親が家にいなくても寂しさを感じる時間は減っていた。
毎日が楽しくて、絶えず笑っていた。
そんな日々が続き、中学3年生の時、私と可奈子は進学先の高校も同じにした。
『ここの制服、セーラーでかわいいよね。高校、ここにする?』
『志望動機は?』
『制服がかわいいから、……ダメかな』
『……ダメでしょ』
そんな風にふざけながら、不純な動機で決めた高校は無事合格。
入学式の後は桜の木の下で、念願のセーラー服でふたり写真を撮った。
これから3年間、また同じような日々が続くと思っていた。
思って、いたんだ。
『あーもう、吉田くん本当かっこいい!本当好き!』
『可奈子、吉田くんのこと本当好きだねー』
それは高校2年の、4月の初め。
可奈子には、入学当初から片想いをしていた男の子がいた。
好きだけど告白は出来ない。けど、彼を見て頬を染める可奈子はかわいくて、上手くいけばいいなって、心から思ってた。
けど、予想外の出来事によって私たちの間にはヒビが入った。