そっと目をひらけば、目の前には真っ白な天井がある。
大きな窓を覆うように締め切った、カーテンの隙間から漏れる太陽の光に、今が何時くらいなのかをなんとなく把握した。
……今日もまた、朝がきた。望まなくても当然に。
そのことに軽い絶望を感じながら、体を起こして壁の時計を見れば、時刻は10時29分を指していた。
「……喉、渇いた」
小さく呟くとかすれた声が出て、自分が久しぶりに声を発したことに気が付いた。
ボサボサの寝癖頭に、ラクな黒のパーカー姿で、せまい自分の部屋を出る。
足もとに落ちている、いつだったかに脱ぎ捨てたままの、汚い制服を足で踏みつけて。