「姉ちゃん、アリサと喧嘩したん?」
『真幸…』
バタバタと帰って行ったアリサとシュンくんを見送った弟が部屋へ来た。
「喧嘩すんの勝手だけど、オレら巻き込むなよな!」
『…ごめん』
弟の嫌みも耳を通り抜ける。
アリサが怒った…。
アリサに…
見放されたんだ…。
ショックで涙も出ない…。
放心状態のあたしの元へ、更に追い討ちがかかった。
「真幸、ちょっと向こう行ってなさい」
『━━!!』
「はぁ〜い」
気のない返事をして出ていく弟。
『お母さん━…』
部屋にはあたしとお母さんの二人きりになった。
初めて見るような、険しい顔をしたお母さんと…。