腰を浮かせていたが
また椅子に座ってしまった
隣には引っ張った張本人のスミレ
「帰しませんよ?」と
ニヤニヤしながら私の腕に巻きついてきた
ここにもいた、
私を逃してくれない人が…
『スミレ、離して。本当にヤバイの、あの人と顔を会わせたくないんだから!』
私の言葉を聞き逃さなかったスミレは
あの人って誰ですか?と攻めてきた
くそーっ、面倒な事になった
けど、諦められないと
スミレを何とか宥めようとした時
「葵、心配した」
まさかの、あの人登場
スミレは待ってました、と言わんばかりに井内さんどうぞどうぞと席へと座らせた
「いやー、先輩も隅に置けないですね!まさか井内課長さんとお付き合いしていたなんてー。やりますね!」
ほら、きた。
絶対来週には部内に広まるよ…
っていうか、井内さん!
私の名前、呼ばないで!!