「だってー、何度も鳴ってるのに、先輩ったらムシするしぃー。だから代わりにスミレが出ちゃいました」
テヘッ、とかわい子ぶっている顔をぶん殴ってやりたくなった
『で、誰が来るって?』
そう言いながらも
スミレと私の共通の人だろうと
勝手に課長か、誰かだろうと思いながら
スマホの着信履歴を確認した
ヒィッ!!
不在着信に、なぜか知らない番号
しかも、何度もだ
誰?
誰だよ!
『スミレっ!誰、これ!!』
「えー、知らないですよー」
『じゃ、誰と話したのよっ!』
さっきまでの酔いが一気に冷める
まさか、これから来るってこと?
来たら意味ないじゃん!!
逃げなきゃ、
そう思い、『スミレ、帰る!』と
5000円札をテーブルの上に置く
早くココから去らなきゃいけない
鞄を肩に掛けた瞬間
グイッと引っ張られた