「奈央(なお)!おはよー!」

「おはよー!」

今日も一日が始まった。
毎日同じことの繰り返し。
楽しいことなんてない。
生きる価値がない。
ため息をついた時、声がした。

「どーしたの?ため息ついちゃって。」

この子は一応親友となっている、麻由(まゆ)だ。

「なんか成績が良くなくて……。」

「何言ってるの?
 奈央は成績がいいじゃん!
 私なんか…………。」

「………。
 なんかごめん。」

また1つ嘘が増えた。
私は常に学年トップだ。
誰にも言ってないが、
私の成績が良い方だと麻由は分かっているみたいだ。

「もー。」

『キーンコーンカーンコーン』

「授業が始まっちゃう!
 バイバイ!!」

「バイバーイ!!」

やっと会話が終わった。
予令よ。あんたは神だ。

『はい。席について。起立!礼!』

『「お願いします!」』

やっと授業が始まった。
まだ、中3だから余裕がある。
つまんなくて、私は高2の範囲を授業中にやっている。
私にとって勉強とは、1番の友達である。
リアルの友達より面倒くさくなくて
ただ、問題を出してくれるので疲れない。

『キーンコーンカーンコーン』

『起立!礼!』

『「ありがとうございました!!」』

あーあ。
終わっちゃった。
これから10分間なにしよう。

「奈ー央ー!」

また始まった。

「何ー?」

「今日、合コンがあるんだけど
 来ない?」

行きたくない。
しかし、麻由が私を誘うという事は人数合わせだろう。
すぐ帰ろう。

「うん!いいよ!
 他のメンバーは?」

「舞美(まみ)だよ!」

あの舞美か。
あの、女子力の高い。
たぶん、男子は舞美のところへ行くだろう。
……て言うことは、The 楽!
だったら、行ってもいいや。
みんな喋っていて食べないと思うから、
たくさん食べよう!

「おー!いいじゃん!」

「やけに乗り気だね……
 もしかして奈央、恋人作り
 たいの?」

「……へ?
 なわけ無いじゃん!」

「だよね……!」

「じゃあ、また後で!」

「バイバイ!」

恋人作るつもりはないけど、
できたら楽しいのかな?
今まで恋は一度もしたことない。
だけど、付き合って好きになる人も
世の中にはいるだろう。
適当に作ってみようかな?

部活の後に行くの疲れる。
ちなみに私は、合唱部だ。
普通は合唱部というのは疲れない
ものだが、私の合唱部は週一の
ペースでランニングをしている。
それが今日だ。
死ぬかもしれない。
麻由に茶化されるだろうなー。