王子だなんだと囃し立てられているが、好き勝手に妄想するだけして現実を見て幻滅する。
俺は、空っぽの人間だからな。
顔も中身も、母親に似たんだろうか。
自分自身が、心底嫌いだ。
そんなこと、口に出しては言わないけれど。
でも…そうだな。
こんな俺を、つぼみが好きになってくれるだなんて、夢を見過ぎていたのかもしれない。
こんなことで、つぼみを諦めようと思えるほど軽い気持ちでは無いけれど、さっきのは結構…キツかった。
だってもし、俺がつぼみの立場なら、協力だなんてできるわけがない。
手紙を渡してくれだなんて頼まれたら、その場で破り捨ててやる。