・・・ダメだ・・・。
岡部編集長の一言一言が胸にしみて、とても・・・嬉しくて。
こらえきれずに私の目からどんどん涙が流れ出てきた。
そんな私を、編集長はウンウンと頷きながら優しく抱きしめてくれた。

「怖いよね。でも笹川ちゃんは一人じゃない。みんなついてる。私もいる」
「すぃませ・・・」
「いいよ。ひとりで抱え込まなくていいから」

死ぬことより、死を近くに感じたことが怖くて泣いたのは、ガン宣告を受けた日の帰り道以来だ。
そして誰かにすがって泣いたのは、この時が初めてだった。