「わたしね、神様って意地悪だと・・・でもホントは、そうじゃないんだよね」
「ん」

義彦の声は、震えているように聞こえた。

「・・・ごめんね。わたし、もう・・長くない」
「大丈夫だ。俺がいるから。俺は絶対、おまえから離れない」
「ぅん・・・」

「知ってるよ」って言いたいのに。
ニッコリ笑って、彼を安心させたいのに・・・できない。

・・・帰りたい。家に。
海が見えるあの家に。
海を散歩したい。義彦と一緒に。手を繋いで。
でもこれじゃあ・・無理か。
私の命は、もう尽きかけている。風前の灯火状態だから。

痛い。体中が、痛い。