「去年の今頃は、治療が終わって・・よかった。まだ元気なうちに、お墓参りに行っといて。これも虫の知らせってやつだったのかな。あぁ義彦」
「ん?」
「私の両親のお墓のことだけど。供養代は両親が亡くなったときに受け取った、保険金から払ってるの」
「分かった。後は俺に任せろ」
「ありがとう・・・ねえ、義彦」
「ん?」
「神様って・・いると思う?」
「さあな」
「わたしは・・いるんじゃないかって、思う。義彦・・」
「どうした、織江。痛むか?」と優しく聞く彼に、私は深く、ゆっくりと息を吐きながら、頷いて応えた。
「・・・帰ろ」
「ああ」
呼吸をしても、風に当たるだけでも、体が痛むときがある。
それが分かっている義彦は、注意深くゆっくりと、車いすを押してくれた。
「ん?」
「私の両親のお墓のことだけど。供養代は両親が亡くなったときに受け取った、保険金から払ってるの」
「分かった。後は俺に任せろ」
「ありがとう・・・ねえ、義彦」
「ん?」
「神様って・・いると思う?」
「さあな」
「わたしは・・いるんじゃないかって、思う。義彦・・」
「どうした、織江。痛むか?」と優しく聞く彼に、私は深く、ゆっくりと息を吐きながら、頷いて応えた。
「・・・帰ろ」
「ああ」
呼吸をしても、風に当たるだけでも、体が痛むときがある。
それが分かっている義彦は、注意深くゆっくりと、車いすを押してくれた。