投薬治療を打ち切った今、薬の影響で咳込むことはなくなった。
でもここ数日は、喉に何か詰まったような感じが常にあって、呼吸するのが辛い・・・。

私は咳込みながら、「ご、ごめ・・・」と謝る私に、義彦は「水飲むか?」と優しく聞いた。

「う・・・」と私は言いながら、ゴホゴホ咳をし、ゼーゼー息を吐いて・・・手についた血を見た。

「織江・・」
「あ・・・」と呟いたのを最後に、私は意識を失った。

2018年、6月27日。
ガン告知を受けて2年経ったその日。
吐血して気を失った私は、病院に運ばれ、そのまま入院することになった。
仕事はもうできない。
岡部編集長と義彦の迅速な手続きのおかげで、私は即、病気による休職扱いとなった。