笹野はそれだけ言ってカフェから出て行った。 「三十路の女って…まだ3年あるじゃん。」 突っ込むべき所はそこじゃない。 でも、そうでもしなきゃ僕の心臓は止まらなくて。 「ドキドキ…してる?」 笹野の行動ひとつひとつに、見入ってしまう。 きっと空と似てるから。 ほらまた。 また空を出すし。 「僕も、帰ろう…」 会計のところでお金を払って帰ろうとする。 笹野は1円単位までピッタリと自分の分のお金を置いていった。