「俊…行くぞ?」 「うん…」 空の命日には今でも沢山の人が空の家に来る。 その空気が重くて… 「そろそろ行くか。」 あの場から離れたくてとにかく外に出る。 そして、僕達が向かうのは… 「あー、もうすぐ大会かぁ。」 「俊はまだ走ってるんだもんな。」 12年前から何も変わらない競技場。 僕が空に銀メダルを渡した場所。 僕は中学卒業後もずっと陸上を続けている。 高校はもちろん、大学も、そして大学卒業後の今も。