「あの言葉はね、禁句なの。空と私の前では…」

「中出?」

中出は話してくれたんだ。

空の小学生の頃の話を。

俺達が小学生の頃、空の隣に住んでいるおじいさんがいたらしい。

そのおじいさんは、空に凄く優しくて…本当のおじいさんは大阪にいるから頻繁に会えない空にとって、本当のおじいさんと同じくらい大好きだったらしい。

しかも、空だけじゃなくて、他の小学生にも好かれていた。

その中でもやっぱり1番仲良しは空と中出。

でも、おじいさんは空が小6の時に亡くなったらしい。

おじいさんは亡くなる直前、空と中出に言ったんだって。