突然の電話は空のお母さんからで、声だけでわかる。

だいぶやつれてる。

きっと、この1ヶ月。

毎日毎日泣いたんだろう。

「はい…立野です。」

《学校が終わったら…家に来てもられないかしら。どうしても、立野君に見せたいものがあるの。》

見せたいもの。

それは空の思いだった。

「お邪魔します…」

久々に上がる空の家。

もう1ヶ月もたつのに、ここは、温かい空の匂いがする。