俊は言ってくれたんだ。

大会の後は必ず、

『お疲れ様。ほらっ!!』

抹茶マフィンがご褒美になっていた。

いつも、辛い練習の後とか、大会の後は2人でマフィンを食べた。

ただ座って、静かに…

それで、いつも話してくれるのは俊だった。

どんなに散々な結果の時も、話かけてくれた。

『走れたんだからいいじゃん。頑張ったんだろ?』

「俊が好き。意地悪だけど…でも優しい俊が好き。俊と食べるマフィンが好き。俊と話す時間が好き。俊と走る毎日が好き。」

言えば言うほど沢山の好きが溢れる。