『よく聞いて、小宮さん。』

『はい。』

『命に別状はないわ。でもね、あなたを今週末の大会に出ることは許すことができないの。』

ずっと一生懸命頑張ってきた部活の最後の大会。

私は出られないことを知った。

これ以上ない悲しい出来事。

私は走れない?

だって、怪我したのは頭だよ?

足は関係ないんだよ?

なのに、走れないの?

『出血が思ったより酷いわ。こんな状態で走って頭に振動を与えてしまうと危ないの。わかって?』

わからない。

わからないよ。