それにレナが答えることはなかった。





誰も何も話さないまま数分が過ぎ、学校のチャイムが聞こえてきた。

この神社から学校まではそんなに距離もない。


学校からは徒歩五分ぐらいだろう。


だから、こんな私にとっても毎日神社に行くのはそんなに苦じゃない。




―ジャリ……

ずっとセミの声を聞きながらボーッとしていたら、誰かの気配がした。


「誰……?」

神社の入り口付近にある大きな木の後ろには、人影が揺らめいている。

そしてやっと姿を表したそれは………







鈴原くんだった。