レナはどこに行くのか聞いてほしそうだったけど、特に興味もなかったからふーんとそっけない返事をしてあたしはベッドに寝転んだ。
「あ、ねえレナ」
「んー?」
レナは、二年前のあたしの部屋を見渡しながら返事をする。
「“二年後のあたし”に聞きたいんだけど、レナって今彼氏いんの?」
「……いるよ?」
「えっ!? だ……」
『誰?』
そう聞こうとしたのに、なぜかそれ以上は言えなかった。
だってレナが――……
少し悲しそうに微笑んだから。
「あれ、聞かないの?」
「いいよ別に。先に未来を聞くのもあれだしね」
それからは、お母さんの夕飯の知らせがくるまで一言も話さなかった。