「ところでさー、和泉と仲直りしたの?」


「んー?
……まぁー、仲良い方が楽しいでしょ?」


「そんなの当たり前でしょ。」


仲直り、というものではないよね。
嘘の友達ってとこかな、私たちは。


「でもさ、和泉のこと馬だ好きなんでしょ?」


「……そういうことは聞かないでよね。
私は今、香坂の彼女なんだから。」


「ならやっぱ好きなんじゃん。
どうして逃げるの?
和泉と向き合えば良いじゃん。」


「……無理だよ。
私は、和泉のそばにはいられないもん。」


「だから、香坂なの?」


「……香坂はいろいろわかってくれてるから。
うちの事情のことも、私と和泉のことも。
私が和泉にしてきたことだって、結局寂しい結果に終わったけど…香坂はちゃんとわかってくれてるから。」


「それ、私には教えてくれないの?」


「……もう、終わったことだから。」


あんな夢のようなことだって、香坂がいることで夢とされずに現実となる。

和泉が覚えてくれていなくても、香坂がいてくれるから。


「和泉が好きだったことも、これからの私には大事なことだと思うんだよね。
だからこそ、忘れたくないんだ。
香坂となら、きっと忘れずにいられると思うんだよね。」


「…そっか。」


「ごめんね、意味不明だよね。
とにかく今は香坂を意識するだけだよ!」


「和泉は本当にいいの?」


「しつこいって。
私はサッカーをする和泉が好き。
サッカー選手を目指す和泉が好き。
和泉の夢は奪いたくないから。

…それに、あと2ヶ月しかないもん。」


「香坂とだってそうじゃん。」


「まぁそうなんだけどさ。」