輝side

「あ、あの奥の方から歩いてくるのって三月じゃねぇの?」
「え、どこ?」

秋山と幸君にはまだ見えてないらしい
さすが自慢の視力両目2,5


「あ、教室に入ってくけど入っちゃったら声聞こえないね」

そんなときのために用意しといた"盗聴器"
「聞けるんだけどぉ、聞くぅ?」


「犯罪じゃないの、それは」
「輝、何でお前はんな物準備してんだよ」

「2人が話し始めたけど?」

『あれ、ひーちゃんは?』
『あぁ、秋山なら幸樹とひかると一緒に犬たちに水あげに行ったけど?』
『また犬連れて…、でも、水あげに行っただけならすぐ戻ってくるだろうし待ってよー。』
『あ、あのさ三月って好きな人いる?』

マジかぁ、いきなり直球で聞くとは…
『え、あぁいるよ』

これは結構ショックだよねぇ、後で慰めてあげなきゃねぇ
『ふーん、俺も好きな奴いるよ』

がんばってるねぇ、そろそろかわいそうだし教室に戻るか

「ゆずゆずがかわいそうだし、教室に戻ろ~」
「うん、なんかかわいそうだったね」