「……母さん…何これ…」

イヴはア然と便箋を見ていると、母がそれを自分の胸に押し付けた。



「…もう…や…」


「……へ?…」


「…堪えられない…こんな…現実…」

「母さん?」

「イヴ…弱くてごめんね…もう…どうすればいいのかわからない…」



母はそうブツブツと呟きながら、ゆっくりと立ち上がり、その場を後にした。




「…母…さ…ん…?」



イヴは母の背後と、くしゃくしゃになった便箋を見た。



「…………」


――カサ…


細くて長い、綺麗な指で丁寧に中身を取り出す。




すると、便箋と同じく、くしゃくしゃになった白い紙がでてきた。



「………」



イヴは無言のまま、白い紙を開いた。



顔は無表情だが、心臓は飛び出る程に高鳴った。




嫌な…予感がした…。




開いた紙に、カタカナと漢字が沢山書かれていた。




「……ぁ…」







声が、出なかった。