「……なにそれ…」

レオは強張った顔を青年に見せる。


「…引いた?…こんな淡々と話す僕に」


「イヴ!!」


その瞬間、レオがダン!!と机を叩いた。


名前を呼ばれた青年…川里イヴ(かわさといぶ)はピクン…と体を震わせ、レオをア然と見た。



「…え?…何」


「……………」


レオは何かを堪えるような瞳で、イヴを見た。


「………レオ?」


「…辛かったんだろ…なのに、なんでそんな平然を装うんだよ…」


レオの口から出た意外な言葉に、イヴ独特の灰色の瞳が少しだけ縮んだ。



「…なに言ってんの?」


レオはやっと、我にかえった。



「…………。…ごめん…変な事言って…」


「こちらこそすまない…変な事言って。」


コーヒーを全部飲むと、イヴは席を立った。



「…イヴ?」


「…レオの気分…害してしまったから、僕は帰る…本当ゴメンね」

「え…別に…イヴ?!」



レオが引き止めようとしても、イヴは無視して帰って行った。