イヴは洗面所のドアを開けた。



「―――――!!!!!」

背筋が震えた。


イヴの目の先に、真っ赤な何かが…ある。



更に鼓動が高鳴る。



足が、…震え出した。



「……かあ…母さん…??」


恐る恐る近づくと、やっと赤い物がなんなのかがわかった。


――わかった瞬間、腰が抜けた。



「…や…いや…嫌…」



真っ赤な物…


「な…なんで?」


…それは………


「なんでなんだよ…母さん!!!!!」


変わり果てた母の左手首からでている、大量の血液だった。



イヴは恐怖と、悲しさと、悔しさでその場で泣き崩れた。






ネロの死…自分の愛娘の死がショックで…


……母が自殺をした。