後ろの黒板には、さっきまで友人達が書いた落書きが残っていて、確かにここは教室だと確信した。
 手で拳をつくり、ぎゅうと握ると爪が食い込んで、平には後が残って、これはどうも夢じゃなさそうだと頭をかく。
 彼女は俺の問いに答えないまま部屋を出て行ってしまった。
 ともすれば、なにがあるかわからない校舎を歩き回って彼女を探すよりも、ここは彼女が帰ってくるのを待つべきだろう。
 という言い訳の元、教室のドアから手を離した。
 腹が減っては戦は出来ぬ。
 なにもせずに待つよりも、弁当でも食って待とうじゃないか。