「美波ちゃん、お兄ちゃんを大事にしてね?」


とまた引きつった笑顔で美波ちゃんに言うと


「えっ?う、うん…」


と驚きながら美波が頷いたからあたしは母さんがいる下に降りていった。


あたしが失恋したわけじゃないのに泣きたい気分だった。


その日は、いつも美味しいと思って食べるお母さんの夕飯が喉を通らなかった。