あたしがかけた言葉はきっと間違っていた。


「分かってるよ」


そう言って悲しく笑う裕紀さんはお兄ちゃんと美波ちゃんのいる場所とは反対方向に歩いて行った。


お兄ちゃんと美波ちゃんがくっついてほしいと願って今、目の前でそれが叶った。


本当は嬉しいはずのに裕紀さんの話を聞いたせいだろうか?


今はそれがすごく辛かった。