連絡先を交換しよう。そして、何を言おう。今はなかなか会えないけど、わたしはずっと好きでいるといえばいいのだろうか。

 いろいろ考えるが、一番ベストな答えを見つけらないでいた。

 一番の問題はわたしの親のこと。
 どうしたらお父さんとお母さんは分かってくれるのだろうか。
 わたしの気持ちを。川本さんは両親の思っているような人ではないと。

 ふっとわたしは過去のわたしが言った自分のすべきことを考えていた。
 仕方ないことだと諦めながら、両親をどうやって説得しようか考えていた。
 わたしはそれを果たせなかった。弁解する機会さえ、与えられなかったのだから。

 成功したらいい。だが、失敗したらどうなるのだろう。
 また携帯を取り上げられ、もっと川本さんに会えなくなるかもしれない。

「太田さん?」

 顔をあげると、学校の制服姿の川本さんがこちらにかけてきた。
 彼はわたしの傍に来ると、ひざに手を当てた。

「ごめん。遅くなって」
「着替えてきたの?」
「外に出ると言ったら、着替えていけと言われて」

 わたしはさっき書いたメモを差し出した。

「前の携帯、親に取り上げられたの。新しい番号。本当は電話をしたかったけど、覚えていなくてごめんなさい」

 彼は苦笑いを浮かべて、受け取った。その番号をじっと見た。