そのまま家に連れて変えられ、わたしは部屋に送り届けられた。
 お母さんはわたしの携帯を手に取った。

「返して」
「勝手に見たりはしないわ。預かっておく」

「嫌。何でそんなことをするの?」
「あなたのためなのよ」

 お母さんはそう言い放つと、部屋を出て行った。
 わたしと川本さんが連絡を取らないように、携帯を取り上げたのだろうか。

 わたしの目からより多くの涙が溢れ出していった。

 どうしてわかってくれないのだろう。

 他の誰でもない。わたしは川本さんのことがずっと好きだった。

 やっと会えたと思った。今こそ一緒にいられると思った。なのにどうして親の勝手な都合で引き離されないといけないのだろう。あの時みたいに……。