「おい、樹乃!」

「…ん?何?」

「あの人だよ!!」


言われて指先を見ると、昨日の女の人。


「あれ、昨日の…」

「何?!知り合いか?!」

「いや、知り合いってほどじゃ…」

「あら、昨日の…」


僕たちに気が付いて、彼女が話しかけて来た。


「あ、どう…」

「犬」

「…も?…って、犬?!」


ああ、犬好きってこと…?

僕を見る綺麗な笑顔。


「私は箕鳥 絢菜。
 よろしくね?」

「あ、はい」