「あ、こんにちは…。」


「……こんにちは。」



またここで会った。


桜の木の下で。




「今日も桜見てるの?」


「うん、ちょっと寂しいなーって
ほとんど散っちゃった。」


確かに最近まであんなに満開に咲いていたのにもう葉っぱばっかり。

この前もだけど、よっぽど桜が好きなのだろうな。


「三神さんは桜が好きなんだね。」


「……そーでもないですよ。」


…え?


「桜なんてむしろ嫌いかも。」


なんでそんなに悲しそうな顔をしているんだろう。


そういえばこの前のときも
こんな瞳で見てたっけ。


満開できれいだったこの桜を
彼女は切なそうに見上げてた。