「乗って乗って。お嬢ちゃん可愛いからさ、場所決めてもいいよ」
「っ…。ぐずっ…」
泣いたって意味ないのに。
そう思ってても、涙が出てきた。
今まで彼氏を作った事がない私は、男の人にこういうことをされたことがない。それにキスだってされたことないし、手を繋いでデートだってしたことがない。
「どこにしようかなぁ。オススメの場所でもある?」
「っ」
おじさんは私を助手席に座らせると、ドアを閉めて、自分も車に乗ろうとした。
私どうなっちゃうのかな。
そう思っただけでも涙が止まらない。
「おじさん、女の子を扱うときは、もうちょっと優しくしないと」
「誰だ、お前」