美「このワイン、始めて2人でここで食事した時飲んだやつ…覚えてる?」



裕「覚えてるよ!それと…始めて美織の部屋に行った時も、これ用意しててくれたよな」



美「今日は始めて誕生日を祝うからこのワイン。
これね、二人の初めての時に飲みたい味なんだ…」



裕「…なら、これからいっぱい2人の始めてつくろう。それでその度にこのワインで乾杯しよっか」



美「うん!絶対にそうする!」




私達は自然とキスをした




美「裕太、このピザもすっごい美味しかった奴…
裕太?どうしたの?」




円衣裕太は、一面窓から見える大都心のネオンを見つめていた





美「どうかした?」



裕「ここから見る景色をやっと綺麗だなって思える」



美「前は思えなかったって事?」



裕「正直…ビビってたかも。
こんな街で生き残ってくんだって、こんな高いところから景色を見下ろす程の人間になってやるって…
今はたった1つ歳を取っただけなのに、本物の大人になった気分だよ。まだ中身は子供だったから」



美「あの頃だって裕太は、ここから見る夜景に相応しかったよ。それを言うなら、私の方…やっとこの高さにもビビらなくなった」




私はニカッと笑った

円衣裕太はそんな私をいきなり強く抱き締めた




美「ちょっと?裕太、酔っ払ってるの?」