私は、散々に書かれてる週刊誌を放り投げるとソファーに座った

大きな溜息を漏らすと、投げられた週刊誌を拾い上げた佐々木が私のページを凝視していた




美「佐々木さん、これがやりたかった事でしょ?これもある意味、売名行為でしょ…?
紗保さんと仲悪いってだけでこんなに叩かれてるのに、円衣裕太と熱愛なんて撮られたら私、芸能界から潰されるよ。」




佐々木はバツが悪い顔をして、ずれたメガネを中指で元の位置に戻した




佐「…だけど、この騒動のお陰でドラマを見てなかった人まで見るようになって視聴率は鰻登り。
美織の事を知らなかった人だって美織の存在を知ったんだから。なんでもプラスに考えないと…」



美「いい加減にしてよ。佐々木さんはいいよね、顔も名前だって世間に出ることは無いんだから

私はドラマの撮影の時だって、バラエティに出てる時だって常に誰かしらから変な目で見られて…世間中に恥を晒されてるようなもんでしょうこんなの!

何がプラスよ!…週刊誌でとりあえず名前売るようなやり方は結局こういう事になったじゃん
私もう絶対に円衣裕太を利用した売名行為なんかしないから!」





佐「…美織、落ち着け
こんだけ世間が騒ぐのも美織が人気な証拠だろう?みんな美織の事が気になるんだ、知りたいんだよ
レギュラー番組だって新しく決まったんだから…そんなにヒステリックにならないで。
…これが美織の仕事なんだから」



美「もぉ…全然わかんないよ…」




私は頭を抱えた
佐々木は小さく溜息をつくと、事務所から出ていってしまった