紗「裕太~お疲れ様!」
紗保さんは私の前に立つようにして円衣裕太に話しかける
裕「紗保お疲れ、ドラマどう?」
紗「頑張ってるけど…
うまく出来てるか心配かなぁ。」
裕「紗保、昔から演技の練習沢山してたから絶対に大丈夫だと思うよ」
紗「え?本当に?ドラマ…忙しいだろうけど見てくれる?」
裕「勿論。録画するよ…」
そう言うと紗保さんを横切り円衣裕太は私の前に立った
裕「瑞乃さん、どうも。お疲れ様です」
裕太は誰にもわからない角度で意味深に笑った
美「…はい。円衣裕太さんもお変わり無いようで、相変わらずの人気ですね」
私達はわざと堅苦しい礼儀の塊のような挨拶をした。
だけど、二人にしかわからない暖かさがあった
私と円衣裕太は、私達にしかわからない笑顔で接する。そんな私達を後ろから睨みつける紗保さんが目に入った。
紗保さんは負けじと円衣裕太に話しかける
紗「あ、そうそう。久しぶりに裕太の家遊びに行ってもいい?」
はい?
何をおっしゃってるのですか?
勿論断るよね…裕太
裕「あぁ良いよ別に。来れば?」
紗「やったー!いつにする?」
……は?
そんなにあっさり?
忙しくて休みも取れないんじゃないの?
そんな女と会う暇あるなら、私の家に帰ってくればいいじゃん
私は何も言わずにその場を離れた
それを紗保さんは嬉しそうに、勝ち誇った顔で見ていた
円衣裕太は、不思議な顔をして去っていく私を見つめていた
私が角に隠れる位置に行くと、円衣裕太は紗保さんを置いて走ってこっちに来た
紗「あ!裕太!
まだ話が終わってないのに…」
裕「ごめん!また後で!」