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裕『今日の撮影、どうだった?』



美「緊張した…始めてのドラマだもん。
こんなに緊張するし難しいのに、主役ばっかの裕太を尊敬するよ」



裕『何回もやってれば慣れるって
このドラマが終わる頃には、美織も緊張なんてしなくなってるよ』



美「そんなもんなのかなぁー。
あー、裕太のお父さんのラーメンが食べたいよ~」




電話越しに、愛しい笑い声が聞こえてきる




裕『今は美織も忙しいから、少し落ち着いたらまた行こうな。だから撮影がんばれよ?』



美「うん!裕太も今期のドラマ出てるんでしょ?また主役だよね…私なんか比べ物にならないくらい忙しいじゃん…寝てる?食べてる?」



裕『俺は大丈夫!!ところでさ美織の出るドラマのヒロイン役、紗保に変わっただろ?』



美「あっそうなの。どうして急に変更になったんだろう?」



裕『俺この前社長室で社長と話してる時に、紗保が来てさ。いきなり社長に頭下げたんだよ。お願いだからやらせてくれって』



美「ヘぇ…そうなんだ。よっぽどこのドラマに出たかったのかな」



裕『社長も、紗保を売り出したいからなんとか変更にしたみたいだけど。降ろされた女優さん逆上したみたいで、今日紗保のとこに乗り込んでったって言ってたよ』



美「そりゃあ、私でも怒るよ。
だってその女優さんだって一生懸命に台本読んで練習してきたと思うよ…まぁでも、紗保さんの演技うまかったけど」



裕『あいつ、気強いし喋ると全然女ウケしないけど、良い奴だから仲良くやってな?』



美「幼馴染みなんだっけ?」



裕『そう、あいつ男みたいだろ?
だからいっつも男に混じって遊んでたんだよ…あ、俺もう仕事戻るな。じゃあまた明日…おやすみ』



美「うん、電話ありがとうね
おやすみなさい」






良い奴だから仲良くしてやって。って言われても、もう喧嘩っていうか、仲悪いよ…
私も勢いで、ファンやめますから!なんて言っちゃったし

それにライバルだなんて、私も円衣裕太のこと好きですっていったようなもんじゃん…




美「はぁー……」




深いため息をついた私は、気づいたら深い眠りについていた