その後、佐々木に連れられ所属しているB社の社長に挨拶に行ったり
大先輩の大物女優に挨拶したり、監督や業界関係の人脈を広げんとばかりに 挨拶、挨拶、挨拶詰めだった。
時折、円衣裕太と目が合いその度に小さく笑ってくれ
た
何よりも目がしょっちゅう合う事が嬉しくて仕方なかった
だって、円衣裕太も私の事を見てくれてるって事だよね?
挨拶詰めの食事会はあっという間に終わり、私はクタクタになって事務所に戻った。
ーーーーー
佐「お疲れ。食事会なんて言っても、俺らは挨拶周りでなんにも食えなかったな」
美「でも凄い人ばかりで緊張してたから、食べてたら吐いたかも」
佐「それだけはやめてくれよ
そんな目立ち方したら最悪だろうな…ある意味、名前覚えてもらえそうだけどな」
美「はぁー…緊張が溶けたら一気にお腹すいちゃった」
佐「だな。今日挨拶した人達の確認したいし飯行くか!」
美「行こう~今日は飲みたい気分」
その時、LINEの通知が来た。
開くと円衣裕太からだった
ピンポーン
裕{お疲れ様!俺この後は何もないんたけど美織は?
もし良かったら、この流れのまま飯行けないかなって思って…
ピンポーン
裕{疲れてたり用事あるなら
また今度で全然いいからさ!
返事待ってるね(^^)
……まじ?
円衣裕太からのお誘い…
目の前にはルンルン準備を始める佐々木さん。どうしよう。
佐々木には言えない
でも行きたい
絶対に行きたい何がなんでも行きたい
美「ごめん、佐々木さんやっぱり私なんか気疲れっていうか…
気持ち悪くて食欲無い!帰る!」
佐「え?たった今、緊張溶けてお腹すいたって…」
美「うんごめん!帰る!お疲れ様でした!」
「あぁちょっと!!」後ろから佐々木の呼び止める声が聞こえたが私は走った。
走って走って事務所を飛び出し暫くしたところで息を整えた
ずっと握り締めていた携帯を見つめながら息が戻ると、円衣裕太に電話をかけた…
Purururu…
裕『もしもし?』
美「もしもし?あの…私です」