美「紗保さん、A社所属だったんですか?」



紗「モデルだけじゃなくて…タレントや、女優で幅を広げたいって思って。最近ね。」




そうだったのか…

ここに円衣裕太と一緒に社長に連れてこられたのなら、紗保さんも社長のお気に入りなのだろう。




紗「…裕太とは仲良いの?」



美「いや…1度だけ仕事で一緒になって…その時のお礼を言ってただけですよ。
私と円衣裕太さんが仲いいわけ…」



紗「そうよね。
裕太の質を落とすだけだわ。」



美「…わかってますよ。本当に、仕事の話してただけです。」



紗「…仕事の話してるようには見えなかったけど。
私ね、小学生の頃から裕太と知り合いなの。
裕太の表情くらいわかるのよね」



美「円衣裕太さんがどう思ってるかは分かりませんが…」




紗保さんの目つきが変わった




紗「何様のつもり?あんた…」



美「…すみません」



紗「…裕太に、近づかないでくれる?」





……あれ?もしかして紗保さんの好きな人って…

まさかの円衣裕太?



ライバルの幼馴染みが登場する有りがちなパターン…。ありがち!ありがちにも程がある
こんな事リアルに起きるんだ

まさにドラマの世界だよ




紗「聞いてるの?」



美「あ、はい!聞いております」



紗「はぁ?瑞乃さんちょいちょい日本語おかしいよ?女優なんだからもっと勉強しなさい。」





長い髪をかき分けながら、紗保さんは優雅に去っていった。

あ、紗保さんの好きな人…円衣裕太が訊くの忘れた

て、訊いても教えてくれないか、てか聞かなくてもわかるけど。



でもこのパターンの場合、大体幼馴染みは勝たないんだよな。

って事は、私に勝利の兆しあり?





佐「美織!おい!またボーっとして」





佐々木が耳元で叫ぶ

また変な妄想をしてる間に、時間は思ったよりも経っていたみたいだ