二人きりになり、周りに聞こえないような小声で円衣裕太はタメ口に戻った。



裕「来るなら連絡してよ…びっくりしたじゃん。思わず美織の事見つけた時、大声で呼んじゃった」



ニカッと笑う笑顔はやっぱり、最高に格好よかった。
画面で見る円衣裕太よりもずっとずっと…当たり前だけどドキドキする



美「ごめん…今日はB社だけだと思ってたから。私も、裕太が居るなんて思いもしなかったよ…」



私、うまく演技できてる?



裕「でも本当に嬉しいな、早く会いたかったからさ…」



顔が真っ赤になるのが自分でもわかった



美「さっきの人ってA社の社長だよね?そんなすっごい人と仲良さそうだったけど…」



裕「うん、凄い良くしてくれてるんだ。よく飯とかも誘ってくれて…こうして沢山の社交場に連れてきては、紹介してくれるんだ」



美「それって、凄い事だよね」



裕「でもさ…俺の人気って、社長あっての事なのかなって思っちゃうんだ…。
社長のお気に入りなら顔立ててテレビ出さないとみたいな」



美「それはない。裕太の人気は実力だよ!だってこんなに…!!」




我に返った




裕「…だってこんなに??」



美「…格好いいから…」





私の顔は、生きてきた中で1番、赤くなったかもしれない。

恥ずかしさで俯いていたが、円衣裕太が何も喋らないから少し顔をあげてみる。
そこには私よりも顔を真っ赤にした円衣裕太がいた。





裕「俺飲みすぎたのかな…顔が熱い。決して照れてるわけではなく、あの、でも…ありがとう」



美「いや、いやいやいや。」





周りから見れば、顔の真っ赤な挙動不審な二人にしか見えないと思う

次の言葉が見つからなくて、二人とも黙り込んでいる時お互い目が合った時だった

後ろから誰かの声が聞こえた




紗「裕太!」