美「ッ…?!」
佐「これはこれは円衣さん、お世話になってます~」
注目が集まった事と、円衣裕太と社長を前にして、佐々木はこれでもかと下手に出て話を広げようとしていた。
佐「社長、お久しぶりです。
先日、円衣裕太さんのラジオ番組にゲスト出演させて頂きまして…」
裕「社長、瑞乃さんは俺の番組を凄い盛り上げてくれたんです!」
佐々木に無理やり手を引っ張られ、社長の前に連れてこられた私は覚悟を決め思い切り挨拶をした
美「は、はじめまして!
B社の瑞乃美織と言います!
宜しくお願いします!!!!」
深くお辞儀をしたままなかなか頭を上げない私に、社長がクスッと笑った
社「元気がいい、若いってのはいいなぁ。裕太のお気に入りか?」
裕「お気に入りだなんて…
ただ、彼女の仕事ぷりは良かったです。また僕のラジオに呼ぼうと思ってます」
社「まぁ好きにやってくれ。
瑞乃さん、良かったな
裕太のお墨付きを頂いたぞ」
佐「ありがとうございます!」
深くお辞儀をした佐々木を見て、私はテンパリ過ぎて何故か「ハハァーー!!!!」と戦国時代のようなお辞儀をしてしまった。
それを聞いた社長は爆笑した
社「なかなかおもしろい」
周りは相変わらず社長と円衣裕太と、そして私に注目していた。
社「裕太、俺は少し回ってくるからお前も自由にしてていいぞ。
挨拶したい奴が居れば呼ぶから」
裕「わかりました。」
右手を軽くあげ「じゃあまた…」そう言って、社長は華畑に消えていった。
一気に緊張から開放され、腹の底から深呼吸をすると円衣裕太が笑いながらこっちに近寄ってくる。
裕「今来たところですか?
何も飲んでないんですか?」
美「今来たとこで……す。」
気を利かそうとしたのか、佐々木が「私が取ってきますので」そう言って円衣裕太と二人きりにされた。