そして2年後、私は再び映画に主演として出演し復活を果たした。
いきなり映画の主演になれたのは2年間、佐々木が瑞乃美織のマネージャーとして営業を続けてくれていた事。そして富田の力を借りた
映画は好評で、私はまた人気女優への階段を登り始めた
私が芸能界に戻ろうと思ったのは、富田のたった一言だった。
「円衣裕太が生きていると信じているなら、元気な姿を見せてやれ」
何処で何をしているのか全くわからないけれど
生きている…
絶対に生きている…
そう信じたかった私は、画面を通して円衣裕太に伝えようと思ったのだ
「ありがとう」そして「ごめんなさい」と。
円衣裕太の後をずっと追いかけていた
ずっとずっと円衣裕太が目標だった
円衣裕太の居ない道を、何を目標にすればいいのか。
沢山悩んで、女優を続ける意味をいつだって考えていた
今だって………
31年間の人生の中で、たったの1年ぽっちの出来事…
だけど私の中で、私の人生で一番大事で、大切で、綺麗で、暖かい記憶。
今でも円衣裕太の笑顔を思い出すと、胸が弾む自分が居る
どうか生きて、どこかで誰かいい人を見つけて幸せに暮らしていてください…。
それだけが、……それだけが私の願いです。