しんとした保健室


先生いないの?


「先生いないみたいだけど……大丈夫?」


「あぁ平気
シップ貼ったし」


「そぅ」 

ベッドに腰掛け笑顔をみせる



これは勇と違ったタイプでモテるわけだーーー



勇と違い、英慈はとくべつ愛想を振りまくことなく、そこがまたイイと女子は騒いでるみたいだが……





そういえば、勇もバスケうまかったなぁ

昔なんかの試合見に行ったような―――



「英慈くんってバスケやってたの?」


「ストップ!」





「くんづけやめて」


「なんで?」


「数人でよってくる女達を思い出す
香水クサイ…」


あぁ『英慈くーん』ってやつね


「でもなんでわたしはくんづけしなくていいの?」


「あんたは
一緒になってさわがないだろ?」


まっすぐ見つめる


「だって出会いがあれじゃぁ」


そんな視線になにも気にすることなく無邪気にほほえむあおい



「アハハゴメンなあの時は」


「で……バスケは?」


「……やってたよ、中学のとき」


「そーなんだ」


一瞬くもりをのぞかせた瞳


「ありがとう
もう大丈夫だし戻っていいよ」


「わかった」

背をむけトビラに手をかけたところであおいが足を止める

「そうだ!英慈
わたしあんたじゃなくて‘あおい’だから!」

そう言ってあおいはでていった


ずっと残る、その笑顔


「そんなの・・・・・・・・
前から知ってるよ」




やっぱり、覚えてねぇのかな
    あおいーーーー