なにごと?
「大丈夫か英慈?」
「今すげー音したぞ」
「保険室行けよ」
「おい誰かつきそい!」
「はい!あたし!あたし行く」
「ちょっとズルいわよ!」
周囲の反応を横目に見つつ、女子コートのすみに視線をうつす英慈
「どうする?英慈」
心配してよってきたクラスメートにニッっと口元だけ笑ってみせる
「指名していい?
‘筒井あおい’
呼んできてよ」
英慈の視線のさきには由宇と話すあおいがいた
「なんかあったの?」
人だかりを見つめ由宇に問い掛ける
「さぁ?」
そこへ人だかりのなかからひとりクラスメートが走ってくる
「筒井!わりぃけど英慈のこと保健室連れてってもらっていいか?」
「わたし?」
「あぁ、頼むよ」
「なんであおい?」
いつのまにか勇があおいの肩を抱いて隣に立っていた
「いさみ!ちょっとはなして!」
「あおいじゃなくていーじゃん、つうか自分で怪我したんだからひとりでいけっつーの」
あおいの発言を無視し話し続ける
「オレだったら怪我なんてヘマしないけどぉ」
ぷいっとそっぽを向く
その行為にまた近くにいたファンはかわいーっと感想をもらしている
「ちょっと!
わたし行くから手はなして」
「あおいー!」
無理やり勇の手をひきはなし英慈のもとへかけよっていく
「…………ムカつく」