*勇side
―――…あおい。
呼んだのに
走っていっちゃった
いつもそうだよね
あのときも―――…
切ないような表情であおいが出てったドアを見つめる勇
「……由宇さんだったよね?
――――アイツ、誰?」
校門に立つ長身の男
なんだよ!どいつもこいつもデカイ野郎が!!
どーせ俺は170ねぇよ!
隆ちゃんとかって言ってたな、あおい
「佐野隆士
大学4年で、あおいん家の隣のマンションに住んでる
あおいのカテキョでもありいろいろ面倒みてくれてる人よ」
「ふーん」
「フフッ
いやそうな顔」
笑われた
だってしょうがないだろ
いやなんだから
「『彼氏』じゃないわよ
あおいそうゆうふうに考えてないみたい
安心した?」
ふーん
アイツも俺とおなじか
「情報ありがとう
由宇さん」
そう言って不適な笑みを浮かべると勇は教室を出ていった
負けないよ