誰が、彼にこんな顔をさせたの? ……私?
私が、開放出来るの? 彼の苦痛から…。
「……わ、私の気持ちは……香輝に、あるよ……。香輝と初めて会った記憶はないけど…。転校してきた時の香輝に、惹かれたのは…当たって、るよ…」
たどたどしく言う言葉に私は少しずつ恥ずかしさが込み上げて来て、顔を下に下にと落としていった。
だって…こ、告白なんてした事なかったもん!!
「…都……。ありがとう、嬉しい…」
香輝の言葉に私は、よりいっそう恥ずかしさが込み開けて来て、ますます顔を上げられなくなってしまった。
その時の香輝の表情を見逃してしまった事を私は後々に後悔してしまった。
「…都、手…握っていい?」
「………ぇ……。ぅ、ん……」
思わず頷いてしまった私の手の平に、香輝の手が覆い隠した。
…………ぁ…。