「大手術なのに、応急処置…なの?」



「うん。…僕の心臓の血管はかなり難しかったみたい」




苦笑いする香輝…だけど、つらそう…。



ちょっと前に止まっていた涙がまた溢れ、零れ落ちた。


「…私、私の心変わりが…香輝を巻き込んだの…。ごめんなさい…」









香輝に何度謝っても謝り足りないぐらい、私のこの気持ちが苦しかった。


「…都、謝らないで…。都が謝る事ないよ」

違う!! そんな事ない! 私の曖昧な気持ちが招いた結果だわ。


何度も私を慰めようとするか香輝の言葉を拒絶する様に首を横に振った。


まるで、ダムが決壊したかの様に涙が次から次へと溢れる。




「僕が悪いんだ」



「……な、何言ってるの?」







いつの間にか香輝は私の顔をジッと見ていた。
















「僕が、都を見ていたんだ。異性として…」