「……それ…!」




「赤ん坊の時に応急処置として手術してから、4回胸を開かれてる。頭の怪我なんて、心臓発作に比べたら何て事ないよ」




パジャマの下から現れたのは、4ツの縫合された傷跡。



ホンの少しだけ、皮膚が引き連れたような部分もある。


「新堂先生から、聞いたんでしょ? 僕の心臓の事」





コクンと頷いた私に、香輝は少し困った笑みを浮かべた。



チラリと香輝を診る新堂先生は、まるで耳が聞こえてないかのように、彼の心臓を聴音機で聞く。




「…相変わらず、だな…」


「良くもなく悪くもなく?」





そう。と、簡単に答えた先生はカルテに何かを書き出して部屋から出て行こうとした。




「二人っきりは大丈夫か?」


「…ぁ、はい。大丈夫です」




そう答えると新堂先生は、サッサッと部屋を出て行った。



先生って、一見、怖い人にも見えるけど…中身は言い人なのかな?